サンシャイン・オン・マイ・ショルダー -旅人-
1974年にジョンデンバーが歌ったこの歌が、僕のアウトドアの原点。
澄み切った空、どこまでも続く一本の道。バックパックを背負った僕は、その道をただ歩いていく。この絵は、そんな頃に描いた絵だ。野山ではなくて、舗装道路というところが、進学を控えた中3の微妙な心理なのか?
当時、休みと言えば山の中を彷徨いていた。それも高い山ではなくて、山里のような場所ばかり。まだバックパッカーという言葉は珍しく、母にねだって、やっとさかいやスポーツで一品物のカリマーのフレームパックを購入した。
本当は、頑丈なアルミフレームを持つケルティが欲しかった。バックパッカーと言えば、ケルティでなければならなかった。
あれから30年以上が過ぎた。
大人になった僕は、アメリカ中を探し回って中古のケルティを手に入れた。
憧れだったレッドウイングのアイリッシュセッターも手に入れた。
そうして、ジョンデンバーの歌を口ずさみながら野山を歩くと、全ての風景は美しく輝いていた。
でも、何かが違う。
何でも簡単に手に入る今、何でも手に入らなかったあの頃が無性に懐かしいのはどうしてだろう。
ここ数年、極北の大地をひとりで訪れては、山に登りタイガやツンドラの中を歩く。あの頃、夢の中で憧れた道を歩きながら、大自然の中の自分、自然の一部としての自分を再認識している。
"Sunshine on my shoulders makes me happy~"
ジョンデンバーの詩とアウトドアは、心の在り方を教えてくれた。
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