MONO コールマン赤ランタン

50歳代のアウトドアマンにとって、コールマンの赤ランタンは、特別な存在である。それ故にディープなコレクターがたくさんいる。
今でこそ、アウトドアブランドのイメージが強いコールマンだが、ランプ製造から歴史が始まり、アイロンやガスオーブンなど生活必需品を製造していた。しかし電気が整備されたことで需要は低迷、アウトドア(ハンティングやキヤンプ)に活路を見出していた。
第二次大戦を前に、軍は兵士が使用するストーブを必要としていた。その要求は《華氏マイナス60度からプラス125度(摂氏約-51度~+52度)の環境で、あらゆる種類の燃料を燃焼させることが可能で、1クォート(1リットル弱)のミルクボトルより大きくてはならない》というものだった。
コールマンは、この厳しいスペックをクリアーするストーブを数日で作り上げ納入、こうして揺るぎないポジションを手に入れた。
現在は大きな工場で大量生産されるコールマンの製品だが、以前はカンザス州ウティカにある洒落た煉瓦造りの工場で製造されていた。6-7年前、ロスから一人で車を走らせ、旧工場にあるミュージアムを見に行ったことがある。簡単なショップも併設していて、日本から来たことを告げると、初老のおじいさんがいろいろとコールマンの話を聞かせてくれた。そのおじいさんは、実はコールマンの生き字引的な存在だったことを後から知った。
シンプルな構造故に高い耐久性を持ち、メンテナンスも簡単で道具としての完成度は高い。一頃は驚くほどの価格で取引されていたが、インターネットが普及したことで誰でも簡単に海外から購入できるようになった。 僕が手に入れたる赤ランタンは、eBay で購入した200A。
製造した年代に因って、赤の色や、タンクに張ってあるステッカーの色/デザインが微妙に異なったりする。少しずつ違うところがコレクター泣かせのポイントなのだ。タンクの底には製造年月が刻印されている。「4 60」は、1960年4月製造を表す。僕と同じ48歳。もちろん、しっかり使える実用品だ。

自分と同じ年の道具、禿げたホーローや傷が付いたタンク、それもまた味というものだ。

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