2008/09/24

待てど暮らせど・・・ -カリブーの季節移動-


秋、カリブーは南に向かって1千kmにも及ぶ季節移動を始める。時には、数千頭の集団が地響きを立てて移動するそうだ。それを一度でも見てみたい。ユーコンの北の端、ノースウエスト準州との州境ならば、季節移動のコースになっているので目撃チャンスがある。

しかし、決まったコースがある訳ではなく、群れによってコースも違う。いくら待っていても空振りになる可能性は高い。

州境に到着して、双眼鏡で遠く(約3~10km)をチェックする。すると、遙か遠くから黒いごまのような40頭ほどの集団が近付いてくる。しかし途中からコースを変え、東(ノースウエスト準州の方向)へ、山の裏へと消えていった。その群れを追って数時間、同じ道を行ったり来たりしたが遂に発見できず。

その夜は、アークテックサークルでオーロラを撮影するために、その場を後に。翌朝、再び車を走らせて、捜索開始。すると、すれ違う車から人が降りてきて、「この先で40頭くらいの群れがいたぞ。」と教えてくれた。直ぐにその場所に向かうと、遙か遠くにその群れの後ろ姿を発見。どんどん遠のいていく。

「あ~、アークテックサークルにこだわるんじゃなかった」と後悔。ガッカリして車を走らせていると、一頭のカリブーを発見。それがこの一枚だ。


車を止めてこんな感じで観察する。すると、すれ違う車が止って、身を乗り出したドライバーが「後ろにも注意しろよ! この季節はカリブーを狙って集まるグリズリーがたくさんいるからな。」と。何て親切な方だろう。

http://www.panoramio.com/photo/14366481

双眼鏡の先には、こんな光景が。ファーストコンタクトに失敗した翌日、遙か遠くから、続々と集まるカリブーの大集団を発見。200~300頭はいるだろうか。真っ直ぐに自分の方向に向かってくる。胸をときめかせて、その瞬間を待つ。

カリブーの集団は、先方に4-5頭のリーダーがいて、群れの安全をチェックしながら前進する。その後方には1~3kmの長い列、とっても自由気ままに餌を食べながら、群れはバラバラに、それでいて集団としてまとまりながら続いている。群れが余りばらけてしまうと、リーダーは止って群れをまとめる。先頭と最後尾は離れているのに、何らかのコミュニケーション手段があるのだろう。(このリーダーシップ、日本の政治家も見習って欲しい!)

昼過ぎに発見した群れは、結局日が暮れるまで通過することはなかった。翌朝戻ってみると、カリブーは同じ場所で夜明かししたようだ。しかし、途中からルートを変えて、遠くに消えていった。

またも空振りに終わったが、半日もカリブーの移動を観察できたことは、それはそれで有意義な経験。もし次回があるのならば、予想されるコースに監視テントでも張って、観察するしか方法はないようだ。手つかずの平原を移動するカリブーを観察するには、航空機でなければ不可能。しかし、必ず出会う補償もなく、お金も掛かる。しかし、道路に沿ってまつ方法ならば、リーズナブル(と言っても気軽には行けないが・・・)で、持久戦にも耐えられる有効な方法だ。

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