ニコンF2チタン・ウエムラスペシャル-植村直己冒険館-


先週末訪れた兵庫県日高町は、冒険家植村直己さんの故郷だ。静かな丘の上に「植村直己冒険館」がある。上村さんが実際に使用した装備品や当時の写真などの資料が展示されている。綺麗に整備された公園の中に、クレバスを表現したという200mの通路、そして両側に雪洞を表現した展示室が配置されている。とっても洒落た建物だ。

当日は修学旅行の小学生が訪れていて少々賑やかだったが、落ち着いた雰囲気の中に、氏の暖かな人間性がにじみ出ている。

この植村直己さんが使用していたカメラ。ニコンF2をベースに、ボディはチタン製、順巻きに変更したフイルムの巻き方、氷点下でも凍らない耐寒オイル、強力バネの採用など耐寒・耐震使用が施されたスペシャルモデルだ。禿げたボディやキズだらけのレンズ先端は、使用された厳しい環境を物語っている。しかし、大事に使われていたことも同時に伝わってくる。

最近のカメラストラップはプラスチックのパーツを使用しているが、以前は金属製のバックルを使用していた。氷点下の環境で使用すると、金属バックルが皮膚に張り付いてしまう。それを防止するために、ベルト同士を直接縫いつけている。プラスチック製の安いパーツなどは、氷点下で使用すると割れてしまうかも知れない。
展示の最後、上村さんが42歳(1983年)の時「ミネソタ・アウトワード・バウンド・スクール」に参加した時に、子どもたちに送ったメッセージが紹介されていた。
植村直己のメッセージ
(ミネソタの子供たちへ)

君たちに僕の考えを話そう
僕らが子供の頃、目に映る世界は
新鮮で、すべてが新しかった
やりたい事は何でもできた
ところが年をとってくると疲れてくる
人々は諦めみんな落ち着いてしまう
世界の美しさを
見ようとしなくなってしまう
大部分の人は、夢を失っていくんだよ
でも、僕はいつまでも子どもの心を
失わずにこの世に生きようと思う。
不思議なもの、
すべての美しいものを見るためにも・・・
いいかい、君たちはやろうと思えば
何でもできる
僕と別れた後も、
そのことを思い出してほしい
やろうと思えば何でもできるんだ

上村さんのメッセージ、決して子どもだけに向けられたものじゃないと思う。自分の胸に手を当てて考えてみると・・・頑張らねばという思いが沸き起こってくる。尊敬と敬意を込めて紹介させて頂きました。

チョット疲れているお父さん、夏休みに子どもを連れて訪れてみては如何でしょう。きっとパワーが湧いてくると思います。(少なくとも自分はそうでした!)

植村直己冒険館

兵庫県日高町伊府785番地(電話 0796-44-1515)

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