遡上-秋の風物詩-


週末の岩手。土曜日の夕方、花巻市にあるイギリス海岸の支流、瀬川で。

瀬川の上流で5-6年前に鮭を放流した。それ以降この季節になると毎年、彼らは生まれ故郷に帰ってくる。

瀬川が北上川に合流する一帯には、長い旅を続けてきた鮭が体を休めている。休息をとった鮭は大ジャンプで、段差を越えていく。

その瞬間を撮影したくて、粘った。どこからジャンプするのか、全く分らない。暫く観察して、場所やタイミングに一定の法則(のようなもの?)を発見。

じっと構えていると、管理しているおじさんが話しかけてきた。「傷ついた鮭は、ジャンプするだけの力がない。昨日まではピョンピョン越えていたけど、今日は少ないな・・・」と。

この後、日没でタイムアウト。

「起死回生の大ジャンプ。その瞬間をおさめたい!」

翌日も粘りたかったが、二戸に移動しなければならない。夕方に戻るつもりでいたが、時間が取れず断念。

彼らの旅。まだ、まだ先は長い。

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