2008/07/31

あ~究極の贅沢!-氷河キャンプ⑤-


少々間が空いてしまったが・・・。結果から先に言うと、氷河に到着した翌日、迎えの飛行機は来なかった。周囲は真っ白、足元さえもハッキリ見えない。これでは有視界飛行の航空機は飛行できない。

そんな中、GPSを頼りに、散策に出かけた。"ホワイトアウト"とはこのことか、歩いていても平衡感覚が全くない。フラフラとしてくる。小一時間歩いただろうか、暫く歩くと岩山が見えてきた。スノーシューを脱いで岩山をよじ登る。頂上に立ってみると、うっすらとキャンプが見えてくる。裏側は結構切り立っているように見えた。


標高2500mの氷の大地に、可憐な植物を発見。案内してくれたsianは「これはクルアネ・ポピー、結構珍しいよ。」と、高山植物好きならば、これだけでも見に来る価値がありそうだ。

翌日も、そして翌日も、迎えは来なかった。天候は決して悪くはなかったが、飛行機が飛べる環境ではないようだ。それでも、ザイルワークや氷河散策、更に足の伸ばして遠距離ハイキングと、内容の濃い毎日を過ごした。
半面、食料は質素に、最後はラーメンだけになった。当然、アルコールはとっくにない。当初、昨年はドイツの一行が一週間スタックしたと聞いて、「それも良いよね!」と気楽に笑っていたが、自分たちのみに降り掛かってきた・・・ヘインズの熊、ホワイトパスの電車、帰国便にも乗れなくなった。これも旅の醍醐味だ。

2008/07/30

極北の仕事人 -ブッシュパイロットという生き方-


極北を旅する時、フロートの付いた水上飛行機はなくてはならない交通手段だ。道なき空をひとっ飛び、大小の湖にさっと着水してしまう。冬期にはスキーを履いたランディングギアで見事に着氷する。

だから見渡す限りのツンドラ平原でも、氷河のド真ん中でも、調査やキャンプが可能なのだ。



カナダ準州に住む人々にとって、水上飛行機は身近な交通手段でもあり、趣味の対象でもある。一昨年、ユーコンでパラグライダーで一緒に飛んだ人物は、自分の水上飛行機を持っている。「アリューシャン列島を渡って日本へ飛んで行ったら、どこに泊めれば良いかな?」と本気で聞いてきた。

日本の空は広いようで狭い。そして規制も厳しい。パイロットは狭き門と言えるだろう。その中でもパイロットを志す人も少なくない。民間航空機や公的機関のパイロットになる者、週末に会った華麗なエアロバテックを繰り広げる競技パイロットになる者、そして辺境の地で必要物資の運搬や調査などで飛ぶ者。気象条件や風のコンディションなど、管理が行き届かない空で飛ぶには、様々な技術が要求される。そんな彼らを、ブッシュパイロットと言う。

昨年、ホワイトフィッシュ湖に迎えに来てくれたパイロットは、「定期路線のパイロットを続けていたが、退屈な毎日だった。日々変化に富んだ今の生き方は、とっても気に入っているよ。」と言っていたっけ。
まさに、彼らは極北の仕事人だ。

2008/07/29

追っかけか?! -エアロバテックの魅力-


まるで熱烈な追っかけのように、兵庫県豊岡市但馬空港へ行ってきた。週末を利用して「コウノトリ丹波空港フェスティバル」が開催された。地方空港のイベントとして14年目という、長い歴史を持つイベントだ。軒並み建設される地方空港の是非が問われているが、この但馬空港はエアースポーツの普及という視点では大きな役割を担ってきた。
先週末の横浜に次いで、レッドブルペイントが施されたエクストラ300Sが今年から登場。エアーロックのサニーは、ここの常連だ。

少々難しい話になるが、一般的な主翼は上面のカーブを大きくすることで飛ぶために必要な力(=揚力)と安定性を得ている。機敏な動きが求められるエアロバテック専用機は、上面と下面が同じカーブを持つ対称翼、それも真っ直ぐに伸びた直線翼を採用することで、独特な動きを可能にしている。半面、操縦は繊細で難しい。
先週の横浜ベイエリアと比較すると、フライトエリアはかなり近い。だから迫力も満点。パイロットと観衆が、それこそ互いに目と目が合いそうな距離にある。観衆の熱気はそのままパイロットに伝わり、パイロットはそれに答えてくれる。
演技終了後にサイン会が開催されたり、機体公開の時間には手が届く距離で実機を観察できる。それこそ、本人から対称翼や直線翼の話を聞くことだって可能だ。
地方のイベントならば、物質的な距離だけでなく、精神的な距離もかなり近い。興味を持った人は、来年の日程を要チェックだ!


室屋義則(Team deepblues)が出場する次回イベントは、10月31日からツインリンクもてぎで開催される「FAI WORLD GRAND PRIX 2008“HAUTE VOLTIGE”AEROBATICS JAPAN GRAND PRIXFAI」。世界のトップパイロットがもてぎに集結して、熱くダイナミックな演技を披露してくれる。その中で、どんな活躍をしてくれるのか。 楽しみだ!

今回もオリンパスE-3を使用、1枚目は8mm/F3.5フィッシュアイ、2枚目と3枚目は300mm F2.8を使用した。 

2008/07/25

自然が描くグラデーション -福井で見た夕日と月-

今回は日本の風景。秋のある日、僕は福井県ジャム勝山スキー場にいた。一日過ごし、午後4時46分、西の空を真っ赤に染めて、見事な夕日が沈んでいく。
「あ~無事に一日が終わったなぁ」・・・何とも言えない、幸せな気持ちになれる。

僕は、夕日が作る空のグラデーションが大好きだ。確か小学3年生の時だったと思う。図工の時間、担任の先生が青空から夕焼けのグラデーションを絵の具を使って見事に表現してくれた。その微妙な水加減、みんな夢中になって自分なりの夕焼け空を描いた。

http://www.panoramio.com/photo/12429747

素晴らしい夕日を見て、得した気分で頭上のグラデーションを追っていった。すると、東の空から満月一歩手前の月が姿を現した。
西の空は、まだ赤みが残る夕景。東の空は、真っ暗闇から颯爽と姿を現す月。西から東まで、頭上には子供の日に描いたような理想のグラデーションが広がっている。

カメラで切り取ることができない見事な景色、自然の力にはかなわない。

※ 今晩から月曜まで取材に出ています。ブログの更新ができませんのでご了承下さい。

2008/07/24

地球の色 vol.2


極北のツンドラ地帯は痩せた大地と厳しい寒さのため、大きな木が育つことが困難な環境だ。その代わりに苔や地衣類、ヒメカンバなどの低木類が育ち、雪が溶けると絨毯のように大地を覆う。
9月の声を聞く頃には、緑の絨毯は黄色、橙、赤と一気に色づき、冬の訪れを知らせる。

昨年訪れたホワイトフィッシュ湖畔。到着した時は緑の大地だったのに、最終日にはこんな鮮やかな色に変わってしまう。この時は、迎えの飛行機が一日遅れたので、この色に出会うことができた。最高の一瞬は、絶妙なタイミングなのだ。


極北を流れるユーコン川は、ベーリング海に流れ込む全長3700kmの大河。カヌーイストならば、その流れに身を任せてみたい・・・と願う憧れの川だ。

北の町ドーソンシティは、当にユーコン川にクロンダイク川が合流する場所に開けた町だ。ホワイトホース周辺のユーコン川は透き通っていたが、ここまで700km以上を流れる間に微少の砂塵を巻き上げながら流れてきたのだろう。かなり濁っていた。そこにツンドラの平原を源流とする全長160kmのクロンダイク川が流れ込む。
白いユーコン川と透き通ったクロンダイク川のコントラストが不思議な光景を作りだした。ユーコン川上空をパラグライダーでフライトしながら、シャッターを切った。

瞬間は一瞬だから意味がある。その一瞬を見届けて切るとる。自分が存在する意味がある。

2008/07/23

ゴーギャンが見た景色 -Tahiti-


印象派画家のポール・ゴーギャンは晩年をタヒチで送り、人々の暮らしを精力的に描き続けたことでも知られている。タヒチ島にはゴーギャンミュージアムもあるが、絵画は残念ながら複製品。当時のアトリアなども、再現されている。

ゴーギャンはモーレア島を見て「古城のようだ」と評したと言われているが、僕には戦艦、それもイージス艦に見えてしまうのは、チョット変?

ところで、タヒチを始め、フレンチポリネシア人のルーツは、東南アジアから島づたいに渡ってきたモンゴロイドと言われている。つまり我々日本人と同じルーツを持っている。そう考えると、タヒチで感じる安心感の訳も理解できる。ゴーギャンが愛した当時のタヒチは、ゲストに対する古い風習が残っていたようで、そこにゴーギャンは填ったに違いない。もし、その頃にタヒチを訪れていたら、僕だってタヒチを永住の地にしていただろう。


ゴーギャンの絵には働く女性を描いたものが多い。当時は、写真のような風景が、島のあちこちで普通に見られたのだろう。モーレア島の西海岸にあるティキビレッジに行った時、僕らのガイドをしてくれた彼女にお願いして撮影した一枚。

2008/07/22

パラグライダーでもアクロ! -旬は永遠宙返り?-


レッドブルのアクロも凄かったが、パラグライダーでもエアロ(アクロ)バテックフライトができる。ヨーロッパではレッドブル主催の大会なども開催されている。

一般的な認識としては、パラグライダーは優雅に飛ぶものだろう。しかし、小さな翼を使用することで、ビックリするような過敏な動き方をする。当然、普通の人間には扱える代物ではないが・・・。

最近の流行は、インフィニティ・タンブリングという技。和名「永遠宙返り」、つまり縄跳びのように翼が縦に回る。イメージしにくいと思うが、パイロットを置いて翼だけが前方から足元へ、そのままパイロットの足元を通過して、後方から再び前方へ。この繰り返しなのである。

なぜインフィニティなのか・・・。縦に回転しながら徐々に高度を下げるのだが、後半の曲面では上方に向かって滑空しているため、思いの外高度が落ちない。まるで同じ場所に留まって、ぐるぐる回っているようにも見える。これがインフィニティたる所以だ。

http://www.panoramio.com/photo/12355605

裸一貫、タイミングと力を頼りに強烈なGと戦う。自然の力だけを利用するので、航空機とは違う魅力がある。

パラグライダーは山から離陸するのが一般的だが、ヘリコプターに乗って飛び立ち、上空で飛び出す方法もある。これならば、お台場や横浜臨海パークなどの都市部でも演技が可能。海上に10m×10m程の特設ステージを作って、そこに着陸するのが一般的だ。もしもの場合には緊急パラシュートを使用するので、海の上の方が都合がよい。

現在の世界記録は、3500mからジャンプして1800m地点から198回のインフィニティタンブリングを成功させたクリスチャン・マウラーによるもの。もし、イベントに取り入れたいと思っている方がいれば、コンタクトして下さい。オーガナイスします!!

(写真は、トルコのオルデニズで開催されたワールドエアゲームで。パラグライダーで一緒に飛びながら空撮)

2008/07/21

レッドブル フライトパフォーマンス2008 -ズイコーED300mm/F2.8の切れ味-

7/20、横浜臨港パークでレッドブルフライトパフォーマンス2008が開催された。空のF1と言われる「レッドブル エアーレース ワールドシリーズ」参戦に向けて厳しいトレーニング中の室屋義秀のExtra300Sと、エアーロックSannyのピッツスペシャルが、大観衆の前でエアロバテックスの神業を見せてくれた。

エクストラの飛行速度が速く、ファインダーに収めるのは至難の業。今回はズイコーデジタルED 300mm/F2.8を使用。描写力と追従性はすこぶる快適、シングルオートフォーカスで必至に追いかけた。レンズについては全く言うことなし、課題は自分の技術向上だ。
写真は、最後の演技を終えコクピットから観客に手を振る室屋氏。トークショーでは、「観客の表情まで見えるよ」と語っていた。

http://www.panoramio.com/photo/12328023

複葉機のピッツ・スペシャルは、空間を切り裂くようなエクストラと違って、優雅でダイナミックなパフォーマンスが印象的。残されたスモークの形を見れば、回転や軌跡がよく分る。

来年も開催されるので、関東地方の方は是非お出かけ下さい。ここでパラグライダーのアクロなんかできたら面白いと思う。ヘリコプターからジャンプして、海の上に作った特設ステージにランディングする。結構盛り上がると思うけどな・・・。

フライトパフォーマンス終了後、横浜港の国際花火大会が始まった。夜空に6000発の花火が打ち上げられた。花火の写真も初めての経験だったが、これはこれでタイミングが難しい。一番気に入ったショットは、花火をバックにフライトするヘリコプター。まるで戦争のようなワンカットになった。

2008/07/20

シロクマナンバープレート -NWT-

これは何でしょう?

答えはナンバープレート。ノースウエスト準州(NWT)のナンバープレートは熊の形をしている。この色、天然の色である。ユーコン準州も含めて、数日車を走らせると、直ぐに埃で真っ白になる。これは日本の比じゃない。細かな砂でコーティングされてしまうのだ。それもしっかりと。

ところで、ナンバープレートは長方形と誰が決めたのだろう。あの形は、車のデザインを台無しにしてしまうし、せめて欧州型の横長だったら許せるのだが。でも、こんな形だったら、自分のエレメントに付けてみたい。 「EXPLORE CANADA'S ARCTIC」の文字も泣かせる。ツボをしっかり押さえた、良い仕事だ。
ツンドラトムのキャンプで世話になったバンクーバーに住むテリーは、このナンバープレートをバンクーバーで付けたくてイエローナイフで購入した車をそのまま持ち込んだ。しかし、詳しいことは分らないが、思いの他税金が高く付いたとか・・・。

これがナンバープレートの本当の姿。
シロクマだったことが分る。もちろんイエローナイフ近郊で野生のシロクマに出会うことはないが、北極海沿岸は生息域になっている。

今、地球温暖化の影響で、シロクマ=ポーラベアーが絶滅危惧種になっている。映画「earth」や「北極のナヌー」、温暖化を取り上げたテレビの特番でも、その状況は紹介されている。
シロクマの問題は、これから始まる出来事の序章に過ぎない。しかし、始まりを遅らせる、或いは抑えることで、全体の流れを止めることができる。

2008/07/19

あ~究極の贅沢!-氷河キャンプ④-


暑い日が続くので、氷河の話で涼しい気分に。
あ~究極の贅沢!-氷河キャンプ③-の続編です。降り立った氷河、天気も最高で、早速スノーシューを履いて周囲の散策に出かけた。Mt.ローガンをバックにご機嫌で歩いているのは、ブログ青の洞窟の青崎嬢。彼女はかなりハードに生きている生粋のアウトドアウーマン。来月末にはツアーでユーコンキャンプに出るらしい。彼女のガイドならば、ユーコンを満喫できる。僕が補償する。


ご機嫌にスキーを楽しんでいるのがSian、少し歩けば斜面もあるのでパラグライダーを持っていけば良かったと後悔する。しかし、所々にクレバスがあるので、落ちたら一大事だ。

ザイルワークやGPSの使い方、周辺散策、雪洞造りなどいろいろな楽しみ方ができる。でも、一番楽しいのは、Mt.ローガンを眺めてビールを飲む一時だ。

夕食はガイドの SianとアシスタントのTessが調理してくれる。初日の夕食はサーモン、日本人を意識してライスを添えてくれた。持ち込んだビールとワインで乾杯した。

夜になって、衝撃的な出来事を知る。日中目撃していたストーブ、実はあの時に壊れていたのだ。朝夕は涼しいが下界は短パンとTシャツの世界、氷河の上は長袖シャツとフリース、ジャケットを重ね着するが、それでも満足ではない。テントの中、唯一の暖房はオーブンだけ。オープンの回りに集まって、暖をとる。新しいオーブンの使い方を知った。
もちろん、就寝用のテントには暖房はない。シェラフの二枚重ねで対応するが、それでも寒くて一度入ると、トイレで起きるのは勇気が必要だ。

2008/07/18

一本の線の向こう側


昨日、野茂英雄が引退を表明した。95年日本人メジャーリーガーのパイオニアとして渡米、トルネード旋風を巻き起こし、ノモマニアを生み、ロスを熱狂させ、ストライキの影響で低迷するMLBを救った。野茂の活躍により佐々木、長谷川、イチロー、新庄、松井(秀)、松井(稼)・・・と多くのプレーヤーが続いた。

野茂のドジャースへの移籍は、閉鎖的な日本球界のタブーに挑み、半ば強引な移籍だったので、メディアは非難を浴びせた。バッファローズのエースだった野茂は、当時ミズノ製のグローブを使用していた。グローブには金刺繍のロゴがこれ見よがしに光っていた。当然・名工の坪田信義氏の手作りでいうことは言うまでもない。

野茂はそれまでの栄光を、日本に置いて海を渡った。

キャンプに現れた野茂のグローブに一部のファンは驚いた(多分自分だけでは無かったと思う)。メーカーのロゴが外されていたのだ。予想の範疇を出ないが、ミズノは野茂を支持できない理由があった。野茂の移籍が球界に与えたインパクトは大きかった。

http://www.panoramio.com/photo/12213808

ロスを見下ろす丘をくり抜いて作ったドジャーススタジアム。丘の頂上のゲートを入ると、そのまま内野席の最上段のトップデッキに出る。ゲームがない日でも、スーベニアショップがあるこのフロアーには出入りができる。

ある日、チケット購入のついでに、トップデッキから「野茂よ、有り難う!」と叫んだこともある。「求め続ければ、扉は開かれ夢は叶う」、がむしゃらに夢を追いかける野茂には、結構勇気付けられた。あの日の出来事は、昨日のことのように覚えている。

背番号16を付けた米粒のように小さな野茂を応援したこともある。放出された後、10番を付けてドジャースに復帰した時には石井が同僚だった。今年はロイヤルズでメジャーに挑戦していたが・・・。

野茂さん、ご苦労様。そして有り難う!

どこから出ようが俺の勝手だろ!-ヘインズの熊の話-

熊と視線が合致、「お前は誰~?」といわれているよう(トリミングなし)


7月1日のEagle's Nest (鷹の巣) の続編。

雨のチルクート川で白頭鷲を撮影しながら、熊の登場を待つ。この時期、一帯には鮭が遡上してくる。その鮭を狙って熊が川に顔を出す。それをひたすら待つのだ。リサーチによると朝方と夕方が食事時らしい。

グーグルアースでチェックすると分かり易いが、川を挟んで西側に道路があり、自分は道路沿いに車を止め、カメラを構えた。自分の中では、これから起こるロケーションを『熊は対岸から現れるので、その様子を川向こうに捕らえる・・・』と決め込んでいた。

ポケットの中には、昼過ぎに購入したベアスプレーが入っている。


ひたすら川向こうの茂みに注視しながら待つ。どれくらい時間がたっただろうか。

その時、右側に気配がした。見てみると、20mほど先に道路を横切る黒い物体を発見。意表を突いて、熊は道路側から現れたのだ。そう言えばそうだ、自分が勝手に決めていただけで、「どこから出ようが熊の勝手」なのだ。

(この一帯の熊は、一応管理されているようで、人間にも慣れている。なにより目の前に豊富な餌があるのだから、僕らがちょっかいを出さなければ、彼らも危害を加えることはない・・・と判断した。)

その後、自由気ままに川遊びをして、遊び疲れると鮭を捕まえて夕食の時間になった。両手で捕まえて鮭を食べるさまは、まるで中に人間が入った着ぐるみのようだ。暫くするともう一頭現れて、仲良く下流へと歩いていった。もう薄暗くて、自分のカメラで追いかけることはできなかった。

午後2時過ぎから、やく4時間ほど。この間ポンチョで機材は覆っていたが、安いポンチョだったので、内側は湿気でビッショリ。外側と内側の区別はもうなくなっていた。

パラグライダーの撮影では、雨が降れば出番はない。ところが動物の写真に初挑戦してみて、改めて防塵防滴の必要性を痛切に感じた。それまで必要に応じてレンズは揃えたが、カメラ本体には全く興味を持っていなかった。自分の中で理想のカメラ像ができあがる切っ掛けになった一日だった。

2008/07/17

地球の色

地球の色。このタイトルの回には、旅先で出会った地球の色を紹介していきます。
昨年ノースウエスト準州にカリブーの写真を撮りに行った。水上飛行機に乗って降り立った場所は、人工的な物がなにひとつないツンドラの大地。上空から眺めることで、平地とは全く異なる顔を見せてくれる。
この写真は、1週間のキャンプの後、低気圧の接近で迎えの飛行機がキャンセルになった翌日、予定になかったフォートスミス経由でどうにか帰り着いた時の一枚。キャンプ地からフォートスミスまで、直線で280km。途中、一度湖に着水し、秘密基地(草むらの中にドラム缶が隠されているだけ)で給油した。太陽が西に傾くなかでのフライト、幻想的な風景に包まれた夢の時間だった。
往路、イエローナイフから グレートスレーブ湖を東に横断、小さなルーツェル・ケイ経由で目的地に向かった。真っ青な湖、針葉樹の森、湖に写る機影はだんだん小さくなっていった。
これから始まる一週間、どんな出来事が待っているのだろう・・・期待と興奮に包まれていた。

2008/07/16

レインフォレストを歩けば。。。-オリンピック国立公園、WA-


西海岸の北の端、ワシントン州にあるオリンピック国立公園。結構アメリカの国立公園は歩いたが、熱帯雨林のような深いジャングルが広がる。他の公園とはチョット趣が異なる。広大な自然に圧倒されるような公園が多いが、自然の深さというか、息づかいを感じることができる。

シアトルからフェリーに乗って、少し(米国的な感覚かも?)のドライブでアクセスできる。キャンプ場もたくさんあるので、長めの休みをとって、のんびり歩いてみたい。できることなら、トレッキングで公園のもっと深くにいってみたい。


こんな絵はがきのような風景は、半島の北側にあるクレセント湖。地球の歩き方によると、窒素濃度が低いために植物プランクトンが育たないので、こんなに綺麗なのだとか。

初めての米国旅行以降、シアトルには野球観戦と絡めて何度か足を運んだ。楽を知った今の自分は、レンタカーを利用する。もうバスは利用できない。それでも、毎回ロスからドライブする。途中、寄り道をしながら、見知らぬ街を訪れる。新しい発見や、面白い出来事、出会い、それがエキサイティングで面白い。

ところで、今日のオールスターゲームは延長15回という記録的なゲームになった。残念ながら、見せ場はイチローが交代したず~つ後にやって来た。とにかくお疲れ様でした。

明後日からは後半戦、楽しみにしていますヨ、イチローさん!

2008/07/15

イチロー、今年はなにをやってくれるのか!


メジャーリーグ移籍から8年連続でオールスターゲームに選出されたイチロー、昨年はメジャーの歴史上初となるランニングホームラン(inside the park home runとアナウンサーは絶叫していた!)で、見事MVPを獲得した。今年はどんなことをやってくれるのか、明日のゲームが楽しみだ。

イチローが所属するシアトルマリナーズ、ここ数年の中でも特に今年は最悪。昨年は面白いゲームをしていただけに、今年に期待していたのだが・・・。

後から海を渡った日本人選手は軒並みワールドシリーズを経験しているのに、なぜかイチローは縁がない。マリナーズよ、頑張ってくれ。イチローが暴れ回るワールドシリーズ、その日が来ることを楽しみにしている。

MLBの観戦は楽しい。どこの球場も雰囲気が素晴らしい。音響や試合を盛り上げる工夫も素晴らしい。なにより、ゲームが直ぐそこで行われている感覚が素晴らしい。鳴り物などで鬱陶しい応援を強制されないのも素晴らしい。

http://www.panoramio.com/photo/12119046


20代の最後の冬、初めて米国旅行をした時、シアトルに数日滞在した。あの頃はとにかく歩くことが唯一の交通手段(次にバス、そして飛行機。タクシーやレンタカーの使用は想定外の旅だった)だったので、今から考えれば信じられない距離を平気で歩いていた。シアトルはかなり寒かったが、住みやすい街だと感じた。

この後、ロスに戻り南回りでニューヨークへ。再びロスを目指して北回りで戻る途中、シカゴでバスを待つ間に荷物の一切合切を盗まれてしまった。幸いパスポートと現金、チケットは持っていたので、致命傷にはならなかったが、撮り貯めたフイルムも一緒になくなった。もちろんカメラもなくなった。

「俺の思い出を返してくれ!」とあの頃は思ったが、心の中に風景が刻まれた。

この写真は、たまたま日本へ送っていたために難を逃れたラッキーな一枚。

場所はシアトルいちの観光名所、Pike Place Marketで。カップルのシルエットが幸せそうで、羨ましかった。

2008/07/14

生活の中にオーロラ -ホワイトホース-

ユーコンへのアクセスはホワイトホースから。ユーコン準州の州都、人口2万強の小さな町だ。トレッキング、カヌー、マウンテンバイク、スノースポーツ、犬ぞり・・・パラグライダーなど、アウトドアアクティビティの中心で、必要なものは何でも揃っている。もちろんオーロラ鑑賞も人気で、郊外の施設に出かけるツアーもある。
まぁオーロラを真剣に見たければ、周囲に灯りがない場所がベストだが、町の中だってオーロラ鑑賞は可能。徒歩で少し外れにでれば、こんなに綺麗なオーロラを見ることができるのだ。
9月上旬、ユーコンの住民は見慣れているのでしょう。周囲には誰もいません。(当然でしょうが・・・)
ユーコンには犬ぞりの文化が根付いているのか、大型犬を連れた人が目立つ。行儀良く助手席に座ってご主人様を待つワンちゃん。

2008/07/13

真夜中のミッドナイトドームにて -ドーソンシティ-

ホワイトホースからのロングドライブでドーソンに到着した僕は、ある男性を訪ねた。上村知弘さん、彼はユーコンに住み、ガイドをしていた。丁度同じタイミングでドーソンにいることを聞いていたのだ。その夜、裏山のミッドナイトドームでオーロラの出現を2人で待っていた。
結構冷え込んだ夜で、明け方まで車の中で待った。ユーコンの魅力、近況、将来の夢など、いろいろな話をした。結局、この日はオーロラが出ることなく、ホテルに彼を送った。
上村さんは、今、北海道の釧路で写真をとりながら日本の北国の生活を送っている。ユーコン時代に撮影した作品を中心に、今日から写真展を開催している。ご近所の方は是非、遊びに行って下さい。
「Wild North -カナダユーコン・アラスカの自然-」
場所:釧路NHKギャラリー
期日:7月13日~15日
時間などの詳細は、彼のブログを参照のこと
http://naturayukon.blog53.fc2.com/blog-entry-242.html


数時間後、再び僕はミッドナイトドームの頂上にいた。パラグライダーのフライト準備で、風の様子を伺いに来ていた。眩しい朝日の中、キツネが姿を現した。眩しそうに目を細め、時にはあくびをしてのんびり闊歩している。前日は熊に遭遇していたので、2度目の動物との遭遇になった。

2008/07/12

世界でここだけ、マンタの餌付け-ボラボラ島-

ダイバーに人気のマンタ=オニイトマキエイ、その独特な外観に似合わず性格は優しい。
タヒチのボラボラ島のとある場所では、夜な夜なマンタがディナーにやってくる。「そろそろ来るよ」と店員さん、ジッとライトで照らされた海面を見ていると、3匹のマンタがヒラヒラと姿を現した。餌をもらったマンタ君は、宙返りしたり華麗な泳を披露すると静かに去っていった。
-PIRATE'S BAR-(Tel:60 52 52):バイタペのヘレンズ・ベイ・ショッピングセンターにあるレストラン。ビーチテラスで食事をしながらマンタに会える。

ボラボラ島の最南端にあるマティラ岬。車一台が通れる細い道の両側にホテルやペンションが並ぶ、ボラボラ一番の人気ビーチだ。西側は大洋が開け、夕日が静かに沈んでいく。
丁度、新婚旅行のカップルが夕日を見に来ていた。彼女は自然と海辺に歩き出した。この時間に合わせて慌ててシャワーを浴びたのだろう。彼女の髪はまだ濡れて光っていた。彼の方は、コンクリートの通路の上から彼女を眺めているだけ。この写真、カップルだったら美しさは半減していたと思う。
今でもあのカップルは一緒に生活しているだろうか・・・思い返すとチョットだけ心配になってくる。
美しい夕日を見てから、マンタのレストランでディナー。新婚旅行に人気のわけだ。

思うこと・・・誰だって幸せになりたい

25歳の時、熱い思いだけで海外青年協力隊でスリランカに派遣された。揺れる思いの中で就職先や仲間にもいろいろ迷惑も掛けた。今でも心の底から申し訳なかった・・・と思っている。

派遣されて生活は順調だった。事前教育の成果もあって何の違和感もなくとけ込めた。でも期間中、心の端で「日本の生活は何と幸せだ」ということを常に思っていた。「日本人に生まれて良かった」・・・とも。

初めての海外、スリランカでの生活。僕が思っていた以上に、現地の生活は厳しかった。決して自分の生活が厳しかったわけではない。僕らは限られた期間、自由に住んで楽しい思い出とともに帰っていく。

地方に行くと、電気もないところで地元の人はテレビを見ていた。電波の洗礼を受けた人々の心が、こんな幸せを求めることは至極自然な出来事だ。冷蔵庫の中には冷たいビールがあり、お客様だった僕らは優先的に美味しいビールを飲んだ。今から思えば「ビールが暖かい!」なんて文句を言った自分が恥ずかしい。電気がない場所で、冷たいビールが飲めることの意味をよく理解していなかった。それが20代の僕だ。

普通だったら2年間で帰国する協力隊。何の因果か、僕は期間延長を申し出ていた。バレーボールを教えていて、自分のチームをベースに国内イベントでいろいろな場所に出かけた。

その頃、国内の問題で夜間外出禁止令がでていた。僕の生徒は、お金がない貧乏な農村出身者ばかりだった。大学は無期限の休学で多くの有能な生徒が海外に流出していた。残された子供たちは、こぞって軍隊に志願した。

入隊して美味しいご飯を食べて、酒を飲んで、戦闘に参加する。それで死んでも、両親にはお金を残せる・・・と。
後進国と先進国。当時はそんな言い方をしていたが、どんな国に住んでいても、楽しいテレビをみて、友だちと語り合って、美味しい食事をして・・・それは等しく与えられた権利なのだ。その上で、自分の将来の希望が持てて、自分で判断できる。それが本物の自由なのだ。
数日前まで、北海道洞爺湖に先進国の首脳が集まって会議を繰り広げた。先進国の繁栄は、それらの国から搾取してきた結果なのだと思う。誰だってテレビを見て、冷たいビールを飲んで、「今日はこんなことが有った」とか団らんの時間を持ちたい。(本当に小さな、小さな幸せだ!)

一方で、既に手に入れた当たり前の幸せを守るために、「お前がガソリンを使うと大変なんだよね・・・」とか傲慢な言い方は決してできないはずだ。(でも、できてしまうところが問題なんだと思う)

誰だって、繁栄したいし、自分の夢を叶えたいと思っている。

僕が帰国するとき、心の中は希望に満ち溢れていた。いろいろなアイデアがあって、どんなことでもできる気がしていた。しかし、帰国後に現実を思い知った。希望や夢だけでは生きていけない。日本の現実だ。

でも、それを承知の上で日本の中で生きて行こうとすれば、それなりの希望や夢が見えてくる。自分の明日が設計できる、それも日本だ。

まず、世界中の人が、自分の夢や希望を持てること。それが最優先な課題だと思う。その上で、自分の幸せと地球の幸せ、僕たちは本気で考えないと行けない。

2008/07/11

究極のリラクゼーション・タイム-Tahiti-

最近のビーチリゾートはスパなくして語れない。先に紹介したタヒチ・モーレア島のインターコンチネンタル・ビーチコンバー・モーレアには、タヒチ初のホテル内スパ、エレンスパがある。バナナの葉と心地よい温度の「レインシャワー」(ジャングルの中で横たわっているような良い感じ!)や、ハイビスカスなどの鮮やかな花に囲まれた「フラワーバス」など、自然の中にいるようなリラクゼーションスタイムが満喫できる。
スパのイメージは女性のイメージが定着しているが、男性が体験しても気持ちの良さは変わらない。さすがに写真は女性の方が良いが・・・。

島内の観光はシンプル。誰でも必ず行く場所が、まずベルベデール。モーレア島の真ん中、背後にトヒアエ山(1207m)、眼前にはクック湾とオプノフ湾を隔てる切り立った山、まるで絵はがきのような景色が広がる。近くには古代宗教で使用されたマエラなども見所もある。

2008/07/10

あ~究極の贅沢!-氷河キャンプ③-


4人乗りの小さな飛行機で、歩いたら4日も5日もかかるような場所に降り立った。真っ青な青空、真っ白な雪原、そして「ドカ~ン」と聳えるMt.ローガン。

もし、ここに一人で立ったら、さぞかし途方に暮れるに違いない。でも、ここには仲間が居る。それに、明日には迎えの飛行機が来るのだし・・・とにかく景色を楽しもう!!!

http://www.panoramio.com/photo/11944787

これが僕らのベースキャンプ。右のテントがキッチン兼リビングがあるメインテント。中央が宿泊テントで向こう側に3張りならんでいる。左端がトイレテント(大専用)で、期間中、最も強いインパクトを受けた。インパクトの内容は別な機会に紹介する。

その間にあるのが小用の男女兼用のトイレ。地面に穴を掘っただけだが、小水で地面が掘れると、更に掘ってどんどん深くなる。最大で一段30cmほどのステップが3段有った。これが油断すると足を滑らせてしまうやっかいな場所なのだ。ある晩、僕はユーロトレックの井上さんが落ちたのを目撃した。翌日、小用トイレは新たな場所に移動していた。(やはり深くなり過ぎたのだ!)

飛行機は3往復して、我々7名のパッセンジャーを氷河まで運んだ。全員が揃ったところで、メインテント内で簡単なミーティングがあった。その前にテント内にいた僕は、ある出来事を目撃した。全ての面倒を見てくれるSianが、唯一のストーブに火を入れようとしていた。8月と言えども、外は一面の雪、それなりに寒い。そんな我々のためにテント内を暖めようとしたのだろう。

次の瞬間。「ボッ!」というぎこちない音と共に、ストーブは【ストール】した。「ちらっ」と僕を見た彼女は、何事もなかったように、実にスムーズに別の仕事に取りかかった。

Yahooの大辞泉では「[1.航空機が失速すること。2.自動車などで、エンジンが急に停止してしまうこと。」の意味があるが、日常生活では滅多に使うことがないこの言葉以外に、僕の頭には思い浮かばなかった。

ストーブが壊れた・・・? 一晩の辛抱、まだ8月だし・・・まぁいいか。

2008/07/08

MONO カラーユニバーサルデザイン-E-420/520で語られないこと-

(新型のE-420はブルー表示に変更された)

愛用しているオリンパスのデジタル一眼の話です。
昨年4月に登場したE-410 。世界最小・最軽量、気軽に持ち歩ける超コンパクトボディーがコンセプトです。その1年後にはE-420に進化。液晶の大型化やグリップの形状変更、それ以外にもたくさんあるので気になる方はネットで検索して欲しい。

その中で、拡大表示ボタンや再生表示など、再生時に使用するボタンの機能が分かり易いように色を変えて表示してある。その色が、グリーンからブルーに変更になった。単純にオリンパスのイメージカラーに合わせたと思っていたが、どうやら別な理由があるようだ。

それが、表題の「カラーユニバーサルデザイン」だ。

遺伝子の違いや目の疾患が原因で、色の見え方が異なる人は国内に500万人以上いるといわれる。詳細はColor Universal Design Organization (カラーユニバーサルデザイン機構)を参考にして欲しい。
つまり、様々な人に配慮し、情報がきちんと伝わるようにデザインすることが「カラーユニバーサルデザイン」なのだ。

例えば色弱者はグリーンとレッドの区別ができず、全て茶系に見えるのだそうだ。例えばピーマン。ピーマンにはグリーン/レッド/イエローのピーマンがあるが、全て同じような色に見える。
(E-410はグリーンの表示)

E-410の場合、黒いボディーに茶色の文字に見えてしまい、非常に見え難い。そこでE-420では、色調が変わらないブルーに変更したのだろう。

しかし、メディアの書き込みランプやカードカバーが開いている時の警告表示などはレッドのままなので、まだ完全な「カラーユニバーサルデザイン」とは言えない。

次回のモデルチェンジでは、この点が改良され、Eシリーズは「カラーユニバーサルデザイン認証」を取得した初のデジタル一眼として登場するのだろう。全くの推測ですので、悪しからず。

<参考>

この山、忘るべからず-トレッキング・パラグライダー-

パラグライダーを背負って山に登り、帰りは飛んで下山する。野山を歩き自然を満喫した後に、最高のクライマックスが待っている。トレッキング・パラグライダー、ヨーロッパで人気のフライトスタイルだ。但し、風が悪ければ徒歩で下山しなければならないのだが、それがまた、楽しい。
去年の夏、蔵王連峰南端にある標高1705mの不忘山(ふぼうさん)に出かけた。午前4時前、ヘッドライトの灯りを頼りにスタート。7時頃には山頂に到着。
この不忘山、1945年3月10日に不幸な事故が起きている。日本に飛来した3機のB-29が、山頂付近に相次いで衝突した。山頂付近はガレ場になっており、1番機がここに衝突した。「不忘の碑」というモニュメントが建てられている。
風の様子を伺いながら待つこと1時間、手つかずの自然の中でフライトするのは、慎重さが欠かせない。タイミングをみてテイクオフ。標高1700m、新緑の中を飛ぶ。フライトする自分の影が森の中に見える。約10分のフライトだが、満足度はすこぶる高い。

http://www.panoramio.com/photo/11781231

普段は車でテイクオフまで移動するので、楽チンに慣れてしまった体にはチョット厳しい。一般的な機材は20kgにもなるので、必要度の低い機材は省いてダイエットが必要だ。パラグライダーの世界でも軽量化が進み、ビックリするような軽量・コンパクトな機材も続々登場している。