ようこそベアー・カントリーへ!-地主 グリズリー-


今回の滞在は11日の予定。この期間、全てキャンプするつもりで準備をしていた。だから、携行した荷物の総重量は約60kg。好きなだけ車で走り回って、疲れたらテントを張って思い切り足を伸ばして眠る・・・そんな希望は初日から途絶えた。

ヘインズでの夜、川で遡上する鮭を食べるグリズリーベアーを撮影した後。オーロラを撮影すべく、直ぐ近くに舞い戻った。 夢中で準備をする最中、林の中で物音に気が付いた。ヘッドライトを向けると、2対の光が3つ、僕を見ている。「ウォー」という低い声も聞こて来た。

「熊か!」 何がなんだか分らなかったが、とにかく車の中に逃げ帰って、一目散にその場を離れた。

冷静になって思い返すと、あれは熊ではなかったかも・・・。多分オオカミとか、せめて車の中から冷静に確認すべきだったと反省する。でも、ビビッタ僕は、車の中で寝ることを選んだ。

http://www.panoramio.com/photo/13998419

ヘインズを離れて、一路、北へ。デンプスターハイウエイにはいると、道路はダートになる。州境付近の道路脇には、タイヤの跡のすぐ横には・・・熊の足跡が随所に。そう言えば途中、道路脇に熊の糞が大量に落ちていたっけ。極めつけは、夜の間にグリズリーに襲われたカリブーの死骸が、草原に転がっていた。その周辺にカラスが群がっている。

ここは『ベアー・カントリー』、熊の世界なのだ。

ところで、旅の後半の目的はカリブーの大移動を目撃し、あわよくばカメラに収めたいと思っていた。道端に止まって遠くの大地を双眼鏡で覗く。都合3日間を、この為だけに費やした。

2日目からは、往来する地元の車が止まって「前方ばかりに気を取られていないで、背後にも注意しよろ! ここいらは移動するカリブーを狙ってグリズリーベアーが集まってくるからな。」と注意してくれた。

「エッ」と僕。

「ここいらは大変危険な場所だぞ。」と彼ら。

それ以降、ビビッた僕は大きく車から離れることはなくなった。もちろんテントを張って、大自然の中で一人で眠ろうとは一切思わなくなっていた。

コメント

このブログの人気の投稿

飛行物体の正体 -黄色いクチバシのカラス-

エレメントのO2センサー故障-走行距離141200km-

究極のインソール発見!-BATES:Individual Comfort System-