ガンバル極北の植物 -短い夏-


昨年訪れたカナダ・ノースウエスト準州。イエローナイフから東に380km、見渡す限りのツンドラの大地が広がる。極北の夏は短い。雪が溶けて、秋の気配を感じるまで僅か3-4ヶ月。この間にも針葉樹は鮮やかな緑を付けて少しずつ成長する。

2~3mほどの針葉樹の森に立つ。普通の場所ならば数年でこの大きさに成長するが、厳しい寒さ故に、ここまで成長するためには100年以上も掛かっているとガイドのテリーが教えてくれた。

近年の温暖化で、永久凍土が溶け出しているというニュースをよく聞く。カナダの極北でも状況は同じようで、雪の重さに耐えられず(雪の湿気が多くなった)枝だが折れるようになったとか、永久凍土の上に作った道路のメンテナンスが大変になったとか・・・ニュースにならないような小さな変化が各地で起こっている。
このまま温暖化が進めば、植生も変化し、風景も一変するのだろう。今の風景を見てみたい。ここ数年、極北のカナダに夢中になる理由だ。


小さな砂丘が続くのもこの周辺の特徴。そこで見つけた、40cmにも満たない小さな針葉樹。大地に枝を張りながら頑張って生きている。少なくとも自分の年齢よりは長く生き、ずうっと極北の寒さに耐えてきた。

ここ数年、カリブーの移動ルートが変わったことで、観察地としては適さなくなったことで、今年からキャンプ地を移動したと聞いた。この針葉樹が被写体になることは、今後無いだろう。こいつの生涯で最初の、そして最後の写真。極北カナダのひとこまだ。

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