極北の仕事人 -ブッシュパイロットという生き方-


極北を旅する時、フロートの付いた水上飛行機はなくてはならない交通手段だ。道なき空をひとっ飛び、大小の湖にさっと着水してしまう。冬期にはスキーを履いたランディングギアで見事に着氷する。

だから見渡す限りのツンドラ平原でも、氷河のド真ん中でも、調査やキャンプが可能なのだ。



カナダ準州に住む人々にとって、水上飛行機は身近な交通手段でもあり、趣味の対象でもある。一昨年、ユーコンでパラグライダーで一緒に飛んだ人物は、自分の水上飛行機を持っている。「アリューシャン列島を渡って日本へ飛んで行ったら、どこに泊めれば良いかな?」と本気で聞いてきた。

日本の空は広いようで狭い。そして規制も厳しい。パイロットは狭き門と言えるだろう。その中でもパイロットを志す人も少なくない。民間航空機や公的機関のパイロットになる者、週末に会った華麗なエアロバテックを繰り広げる競技パイロットになる者、そして辺境の地で必要物資の運搬や調査などで飛ぶ者。気象条件や風のコンディションなど、管理が行き届かない空で飛ぶには、様々な技術が要求される。そんな彼らを、ブッシュパイロットと言う。

昨年、ホワイトフィッシュ湖に迎えに来てくれたパイロットは、「定期路線のパイロットを続けていたが、退屈な毎日だった。日々変化に富んだ今の生き方は、とっても気に入っているよ。」と言っていたっけ。
まさに、彼らは極北の仕事人だ。

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